インシデントプロセス法

メリット

  1. 事例提出者は批判されず、たくさんのアイデアをもらうことができ、仲間に支えられる体験ができる。(次回から、自分の事例を取り上げてほしいという人が出やすくなる)
  2. 偉い人の話を聞かなければならないという雰囲気でなく、自分が当事者になっていろんなアイデアが出せる雰囲気で仲間作りをする機会になる。
  3. アイデアを提供したことを感謝される機会 など

デメリット

  1. 深い洞察力がある専門家による根本的な解決方法を聞く(スーパーヴァイズを受ける)というものではないので、消化不良的なものが残ることがある。

手順

  1. ルールの説明
    • 事例提供者は、プライバシーを守り個人名は伏せること。
    • 事例提供者のために、アイデアをたくさん提供するためにする事例検討であること。
      誰か偉い人が「こうするもんだ」というコメントをして終わりという方法ではないこと。
    • ありきたりのアイデアは、もう既に試しているだろうから、少し突飛でも構わない。
      参加者が自分のこととして一緒に考えてくれる体験の機会というくらいに考えること。
    • 事例提供者に対して、「〜〜をしていない」「〜〜はおかしい」という言い方はしない、あくまで「自分ならこうする」という言い方をすること。
      批判めいたコメントに対しては、司会者から「改めて、自分ならどうするかという主旨で発言してください」というルール確認コメントが出される。
    • 時間制限を設け、必ず40分から1時間で終わること。
    • 検討メンバー数人にならなかった周りのギャラリーは、途中での発言はしない。
      最後に司会から求められてからアイデアを補足する発言をすること。
  2. メンバーの選出  (事例提供者、司会、書記、検討メンバー数人)
    • 事例提供者は家族でも担任でも良い、具体的な事例場面があること。
    • 司会は、検討の流れを時間制限の中で枠付けし、批判発言に対して注意する。(ことができる人)
    • 書記は、発言の要旨を板書する。(できるだけ、ぱっと見てわかるように書ける人)
    • 検討メンバーは、数人(今月生まれの人とか、血液型が事例提供者と同じ人とか、姓がカ行の人など、ここで仲間意識が芽生えることもある)にする。(多すぎると時間がかかりすぎる)
    • メンバーにならなかった人はギャラリーとなり、発言は求められるまでしないで観客となって見守る。(5分)
  3. 事例の提出
    • 事例提供者は、みんなにアイデアをもらいたい事例について、概要とアイデアが欲しい状況などを説明する。(5分から10分くらい)
  4. 情報の収集
    • 検討メンバーは、自分が担当者として解決のためのアイデアを考えるために知っておきたい情報をマナーに沿って尋ねる。(10分から15分くらい)
      司会は、批判的なコメントが出ないようにコントロールする。
  5. 視点とアイデアの提供
    • 検討メンバーは、自分なら当事者としてこういうふうに対応してみるというアイデアを発表する。発表は挙手の早いもの順。前の人と同じアイデアは禁止(とすることによって、様々なアイデアが出るし、先を競って発表しようという雰囲気になって盛り上がります)。司会者は事例提供者のメリットになるように、いろいろなアイデアが出るように促す。必要に応じて、ロールプレイやシミュレーションなどその場で実演するのも良い。(10分から15分くらい)
  6. ギャラリーからの補足アイデア
    • 黙って見守っていたギャラリーから、自分ならこういうアイデアもあるというアイデアを発言しても良い時間。上と同じく、事例提供者に対する批判は禁止。(5分くらい)
  7. 事例提供者がコメント
    • みんなのアイデアを聞いて、まずはお礼。参考になったアイデアを発表し、取り組みへの抱負を語る。(3分)
  8. おしまいの儀式
    • 司会から今日の検討内容についてまとめをする。(2分)